1987年の3月にヨーロッパを旅行した。5週間の長旅だった。当時、旅行にカメラは不要、心に刻むべしという思いに取り憑かれていたので写真がまったく無い。

ニースからバルセロナへ向かう夜行列車がとても混雑していた。やっと空いたコンパートメントを見つけて横になれるかと思ったとたん、日本人女性3人組が「いいですか?」と入ってきた。内心「困ったことになった」と思ったが、彼女たちにしてみれば、混雑した列車で占有できるスペースがあるはずもなく、やっとましな居場所が見つかったのであろうから、断るわけにもいかない。結局、6人掛けのコンパートメントがいっぱいになり、横になるのはあきらめて座ったまま寝ることになった。

疲れと寒さのせいであろう、翌朝、バルセロナへ着くと風邪の症状でふらふらだった。「歩き方」に載っていた安宿をとり、何も食べずにひたすら寝た。宿周辺にたむろしてひたすらしゃべり続ける人々の声だけが聞こえていた。それにしてもよくしゃべる。いったい何をしゃべっているのだろう。

夕方、何か食べなければと思い、通りへでてマクドナルドへ行った。マックシェークと食べ物をテイクアウトして、すぐ宿へ帰ってベッドへ潜り込んだ。特大のマックシェークが最高だった。

結局、30時間くらいベッドにいて、翌日なんとか外に出られるようになった。

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