私の持っているのは文庫になる前の縦長の本である。1990年8月20日第1刷、1991年9月30日第5刷。
当時は旅の様子そのものや、行った先々での出来事、人々の暮らしなどが面白くて、隅々まで夢中で読んだ。この本に限らず貧乏旅行本は結構すきだった。
しかし、猿岩石以降だろうか、テレビの海外取材番組でもその国の人々の暮らしに密着した番組が増えたし、旅行ガイドブックにしてもずいぶん多様な情報を載せるようになった。円高基調は変わらないし、貧乏旅行の水準もずいぶんあがったのではないであろうか。同じような体験をするにしても、もう少し快適にできるだろう。なので、今読み返してみても、なんとなく頭に入らないというかもうこの手の情報は結構みたいな感じを覚える。
ちなみに第一回で赤道を目指した1988年6月当時の為替レートは、1ドル120円台後半だったようだ。下川さんは第一回の旅行で成田-バンコク往復にパキスタン航空を選び、69,000円使っている。試しに今ネットで検索してみると、今では20,000円台からあるようである。タイ航空や日系を使っても40,000円台のようだ。格安航空券に関しては、明らかに安くなっている。旅行費用の大半を占める航空券代がこれだけ安くなっているのだから、今なら同じ12万円でももっと快適な旅行ができるだろうな。