マンチェスター・ロンドン・NY・SF旅行記 1993年

マンチェスター・ロンドン・NY・SF旅行記 1993年 post_monchan 2009/04/28(火) - 23:30

1993年の夏にイギリスのマンチェスター、アメリカのニューヨーク、サンフランシスコのそれぞれに住んでいる友人を訪ねる旅行をしました。三人三様の生活をしており、それぞれ興味深いものでした。

ロンドン
アメリカ
イギリス

マンチェスターでのんびり過ごす

マンチェスターでのんびり過ごす tenagamon 2008/02/16(土) - 11:31

7月1日

ニューヨーク発のUA908便は朝7時にロンドン、ヒースロー空港に到着した。成田を出発したのは昨日の夕方5時、今から22時間前だ。思ったよりつらくはなかった。少なくとも何年か前にのったアエロフロートよりずっといいと思う。

イギリス行きの目的はマンチェスターに住む友人夫妻を訪ねることである。

友人と前もって打ち合せた通り今日の午後3時の列車でマンチェスターに向かうことにし、空港から電話でそう伝えた。マンチェスター行きの列車はユーストン駅から出る。前もって調べたところによるとユーストン駅に荷物預りがあるらしく、とりあえずユーストン駅に行くことにした。

さて、荷物を預けて身軽になったが、午後までどうしよう。この近くで何か見るものはないかというと……、大英博物館である。大英博物館を見学することにはしたものの、ささっと流して見学してコベントガーデンへ向かった。やはり疲れていたせいかそれほど大英博物館には興味を持てなかったんだ。

レスタースクエア、ロンドン - Lecester Square by Ik T

レスタースクエア、ロンドン - Lecester Square by Ik T uploaded on 16 Nov 2008

とてもいいお天気だったせいでコベントガーデン周辺はたくさんの人で賑わっていた。こういう賑わいって結構好きなんだ。地元の人も観光客も思い思いの格好で夏の日差しを存分に浴びながらベイクドポテトを食べたり道端の弦楽四重奏を聞いたり大道芸を見たりしている。そんな中の一人となってぼんやりひなたぼっこするのって幸せだなあ。

ベイクドポテトの店があったので買ってみた。このポテトがすごいんである。大きいんである。「ベイクドポテト+おかず」という形式で注文するのでチリビーンズをいっしょに頼んだのだが、すぐ後悔した。多過ぎて食べきれない。特大じゃがいもだけでよかった。

貧乏音大生のアルバイトなのかしらないが道ばたで弦楽四重奏をやっていた。その時はおやめずらしいなと思ったのだが、実はロンドンではレスタースクエア周辺であちこちでやっていた。なぜか決まって「ボレロ」の演奏で盛り上がるのだ。他には「天国と地獄」とか「ハンガリー舞曲」とか曲目はある程度決まっているみたいだった。そういう曲が受けがいいんだろう。中には誰も知らないようなバロック音楽をやっているグループもいたけど、こちらはとても真剣な表情で演奏していて、それになんだか上手だったような気がする。

みんな音楽が好きみたいだった。若者も老人も男も女もさまざまな人が集まって聞いている。子どもも座り込んで聞いている。指揮者の真似をするおじさんもいる。こういう所が成熟した文化の国っていうか、ちょっと日本の風景と違うぞっていう気がする。原宿のホコ天でやってるやつもあれはあれでいいと思うんだけど、特定の層が集まってそれだけで閉じちゃってる感じがする。みんなのものって気があまりしない。

そうこうしているうちに午後2時近くなったので駅に向かうことにした。途中、パブがあって店の前の歩道でネクタイ姿の会社員がたむろしてビールを飲んでいた。金髪のお姉さんも飲んでいた。昼休みってことかな。ちょっと遅くないか? 仕事はどうした?。大きなお世話か。まぁいいや。

ロンドンのパブ, The Round House by Ik T

ロンドンのパブ, The Round House by Ik T uploaded on 16 Nov 2008

さて、午後3時にユーストン駅をでた列車はずーっと変わらぬ景色の中を気持ち良く走ってゆく。本当にずーっと同じ風景なもんでいやになってしまった。時差のせいかとても眠くなってきて、そして、やさしい日の光が心地よくてくーくー寝ているとマンチェスターに着いた。

駅に着く直前のアナウンスで「ようこそ、オリンピックシティ、マンチェスターへ」なんて言ってた。まわりの人は苦笑していた。僕は意味がわからなかったのだが、あとでマンチェスターがオリンピックの候補地であることを聞いた。でも、敗れちゃいましたね。

駅に迎えに来てくれていた友達に会い友人宅へ向かった。日本人はみな市の中心からかなりはなれた南側の郊外に住んでいる。別の日に友人が通う大学から友人夫婦の家まで車で移動したときになんだかすぐに着いたような気がしたのだが、家から大学まで10キロと聞いて驚いてしまった。

友人夫妻の家に着いた。中を見てもうびっくり。ベッドルームが三つあり、広過ぎるくらいのキッチン、ダイニング、リビング、広い庭と、もう羨ましくなるような所だった。僕は窓のある広い部屋を使わせてもらった。高級ホテルみたいな大きなベッドが置いてあった。

イギリスの友人宅の庭

イギリスの友人宅の庭

なんでも庭師が来て庭の手入れをするのだそうだ。ただし、雇っているのは大家さんである。庭には色とりどりのバラがたくさん咲いていた。オリバー君と名付けたリスがやってくるのでよくピーナッツを撒いておくそうだ。でもそのピーナッツはコッコちゃんと呼んでいる、鳩よりちょっと大きな鳥が来てぜぇーんぶ食べてしまうのだそうだ。

あたりはとても静かで、家の中で話をやめてしまうとしーんとして気まずいくらいの静けさだ。

夜の10時でも外は明るかったが旅の疲れと素敵なベッドのおかげで深い眠りに落ちた。


7月2日

バタミア湖畔 by Ik T

バタミア湖畔 by Ik T uploaded on 16 Nov 2008

友人に「物音一つ立てずに熟睡してた」と言われるほどに、いやあ、よく寝たぁ。自分の部屋で寝ているより深く眠った気分だった。

今日は湖水地方へ出かけることになっている。

友人の車で北の端の街であるケズウィックへまず入った。ストーンサークル、バタミア湖畔、ホークスヘッドの土産屋、ピーターラビットの故郷、ヒルトップと回った。まあ基本を押えた感じです。

バタミア湖畔でお弁当を食べたけど、誰もいなくて静かでとっても感じのいい所だった。

ピーターラビットのマグ

ピーターラビットのマグ

ホークスヘッドのお土産屋さんでついついピーターラビットのマグを買ってしまった。定価で確か6ポンドちょっとだったが、ロンドンではセカンド品が半額で売っていた。ちなみに、近所のダイクマでは「半額」と称してイギリスの定価とおなじくらいの値段で売っていた。


7月3日

2日目の今日はヨークである。「日本人はなんで誰も彼もヨークへ行くんだ?」とは某イギリス人の弁だがそんなことはないと思うぞ。ヨークは各国からの観光客であふれていた。日本人だけじゃない。

ここのところずっと天気がいいそうで、今日も素晴らしい天気だ。これはめずらしいことのようだ。

クリフォードタワーから見たヨークミンスター - York Minster by Ik T

クリフォードタワーから見たヨークミンスター - York Minster by Ik T uploaded on 16 Nov 2008

ヨークミンスター - York Minster by Ik T

ヨークミンスター - York Minster by Ik T uploaded on 16 Nov 2008

ヨークミンスターを見学し、シャンブルズと呼ばれる石畳の通りを歩き、クリフォードタワーに登り、それから、キャッスル博物館を見学した。

このキャッスル博物館だが、様々な年代の「生活」に関するものをこれでもかというほど集めて陳列している博物館である。これでもかというほど並べてみせるというのがポイントで、イギリス人はそういうのが好きなんだろうか。

各年代の暖炉がずらーっ。台所がずらーっ。とまあこんな調子である。暖炉ばっかりがずらーっと並んだところを一つ一つ見ていくことを考えて欲しい。「ほほう、これが1800年でこれが1820年か。なるほどちょっと違うねえ。」とか言うんだろうか。

1960年ごろの生活までがコレクションの中に入っていた。私の生まれた年の製品もあった。もう一昔前になってしまったんだ…。

帰るころになってもいつまでも明るいというのは本当にいい。でも、冬は結構悲惨なんだそうだ。朝出る時はまだ暗くて帰る時も暗い。3時頃暗くなっちゃうそうだ。想像しただけでやんなっちゃうよねえ。そういう意味じゃ日本なんかはバランスがとれててちょうどいいんじゃないだろうか。

 

7月4日

今日はマンチェスター市内からさほど遠くない所にあるナショナルトラストの公園にでかけた。

ここは昔の貴族の屋敷だそうだ。門を入ると並木道がずーっと続き、しばらく行くと広大な緑の草原が広がっている。たくさんの羊や山羊がうろうろしている。どうも彼らは人間には無関心らしく、知らん顔してむしゃむしゃ草を食べている。草原の向こうには池、というか湖があるらしい。ま、相当な広さの公園が昔は誰かの家だったと、そういうわけである。

そのお屋敷とやらを見学できるという。どんな風かというと、そうだなあ、ベルサイユ宮殿とかああいう感じ。長方形の大きな部屋がたくさんあって立派な絵が掛けてあって見事な装飾がなされているという、そういうお家。

あれだけ広いと誰かを探すのにも家の中のどこにいるんだかわかんなくて大変だろうと思うんだけどなあ、などと変なことを考えてしまった。

そういうきれいな部屋だけではなくて、地下の台所だとか、ワインセラーだとか、食器をしまう部屋だとかも見ることができる。むしろ、そういう部屋の方が面白いかもしれない。台所がね、すごいんだよね。台所っていうより調理場って言った方がいいかもしれない。僕が住んでる部屋全部よりも広いね、たぶん。

ナショナル・トラストについて。 ナショナルトラスト - Wikipedia
 
イギリス
ロンドン

エディンバラとロンドン

エディンバラとロンドン tenagamon 2013/02/05(火) - 21:12

7月5日

そろそろ着るものが無くなってきたと思ったら洗濯もさせてもらったし、おまけにアイロンまでかけてくれちゃって、いやぁ、今回の旅行はラクチンだ。とはいうもののいつまでも居るわけにはいかないので、次の目的地、エディンバラに向かった。

そうそう、切符について書くのを忘れた。ロンドンからマンチェスターまではスーパーセーバーリターンという切符で確か32ポンドだった。マンチェスターからエディンバラまではヨーク経由で同じく42ポンドだった。ロンドンの駅で「マンチェスターに行って、エディンバラに行って、それでロンドンに帰るんだけど、どういうふうに買ったらいい?」って聞いたのだが、もっとも安いのは先にエディンバラに行くことにしてエディンバラ往復を買うのだった。

しかし、マンチェスターに先に行くことは動かせないのでそう言うと、それならと教えてくれたのが上の買い方だった。エディンバラから直接ロンドンに帰るのだけれど、マンチェスターからヨーク経由エディンバラ往復を買うのがポイントらしい。

* * *

エディンバラ駅に着くと、何はともあれ今夜の宿探しだ。案内所(通称 i) で紹介してくれるというのでうろうろ探してみるとアコモデーションと書かれた案内所があったので、そこで宿を決めてしまった。25ポンドで少々高めだがB &Bではなくホテルだったし駅に近いのでしょうがないかという感じだ。B &Bは紹介してないというのでなんか変だなと思ったんだけど、いわゆる「i」は別の場所にとてもりっぱなやつがちゃんとあった。

さて宿が決まって落ち着いたのでさっそく観光にでかけた。エディンバラは大変美しい街である。イギリスでの行き先をいろいろな人に聞いたのだが、皆がエディンバラに行けというのもうなずける。

エジンバラ城へ登る坂道から見た市街 - Edinburgh by Ik T

エジンバラ城へ登る坂道から見た市街 - Edinburgh by Ik T uploaded on 16 Nov 2008

Edinburgh Castle by Ik T

Edinburgh Castle by Ik T uploaded on 27 Jul 2008

駅前の「i」の入っているショッピングセンターを覗いて、スコットモニュメントを通り、線路を渡ってお城ヘ行った。ロイヤルマイルを歩いてホリルード宮殿へ行くと、ちょうど女王さまの滞在期間ということで今日まで閉まっていた。明日からオープンだという。なんて幸運なんだろう。

Royal Mile ロイヤルマイル by Ik T

Royal Mile ロイヤルマイル by Ik T uploaded on 31 Jul 2008

もう一度駅へ戻って、わざわざ行くこともないのに「歩き方」に書いてある丘の上にも登った。バカみたいと後悔しながらもういちど駅に戻って、立派な花時計に感心して、それからメインストリートをぶらぶらした。

けっこう情けない行動パターンだなとは思ったんだが、まあ実際はこんなもんである。

途中、ディスカウント本屋で、The Oxford Popular Dictionary というポケット辞書をなんと1ポンドで売っていたのでついつい買ってしまった。

メインストリートの一本隣にパブの並ぶ通りがあり、もちろん観光用なんだけど、そのうちの一軒でビールとフィッシュアンドチップスを頼んだ。ビールはパブでよく飲んだのだが、アルコールに弱いものだからハーフパイントで十分酔っ払ってしまうのが残念。フィッシュアンドチップスは量が多くてすぐ飽きてしまった。袋に入れてくれるのかと思ったらちゃんとお皿にのって出てきた。

7月6日

ホリルード宮殿に行った。毎年この時期に女王さまが滞在するということで、先週までここにいらしたので今日からオープンなのであった。そういうわけで、何人かをまとめてガイドが連れて歩く式の見学ツアーに参加した。ガイドがあるのでここはいいと思う。食事をする場所では「あそこの席に女王さまが座ったんですよ。」なんていうのが妙にリアルな感じがする。

ベッドの長さが短いのがやけに気になった。一緒のグループにいた日本人が子ども用かと聞いていたようだが、大人用ということだった。

The Palace of Holyroodhouse ホリルード宮殿 by Ik T

The Palace of Holyroodhouse ホリルード宮殿 by Ik T uploaded on 31 Jul 2008

ロンドンへ戻るまでの時間で買物をした。スコットランドならではのさまざまなチェック柄があって、それぞれに説明がついていた。買った物はウールのスカーフが9ポンドくらい、ネクタイが6ポンドだったかな? あと、半額で9ポンドになっていたセーターと12ポンドくらいのウールの膝かけまで買ってしまった。膝かけはちょっと考えたけど、でもどうしても欲しくなっちゃって。一月と七月のセール期間に海外に出かけるとお得ですよ。

めずらしくコーヒー専門店があって、いろいろな種類のコーヒーがあったので飲んでみたがおいしくなかった。イギリスのコーヒーってどうしてあんなにまずいんだろう。不思議じゃあ。

友人に聞いたエピソード:

イギリス人がドイツに旅行に行きました。オプションでヴェネチアへの日帰り旅行に参加しました。ガイドさんが言います。「ヴェネチアは高いのでお弁当を持っていきます。夜も帰る途中のドライブインにします。」まずここがイギリス人らしいところですね。ガイドさんがいいます。「そこはカプチーノがおいしいですよ。」でも、イギリス人のおばさんはあくまで紅茶を飲むのでした。「この紅茶、まずいわ」と言いながら……。イギリス人ですね。

ロンドンに戻ってきた。宿はユーストン駅から数分歩いた所のB&Bが集まる通りで探した。最寄り駅はRussel Squareである。夜はソーホーでタイ料理にした。それから、ぶらぶら歩いて、道端の弦楽四重奏を聞いて帰った。危ないなんていうことは全然ない。人がいっぱいだし、お巡りさんもいるし……。

ホリルード宮殿について。 The Royal Residences > The Palace of Holyroodhouse

Members of the Royal Family frequently stay in the Palace when carrying out engagements in Scotland. During The Queen's Holyrood week, which usually runs from the end of June to the beginning of July, Her Majesty carries out a wide range of official engagements in Scotland.


7月7日

実はまだロンドン塔に行ったことがなかったので、まずロンドン塔をチェックだ。なんといっても、ジュエルハウスでしょー。いやあ、なんだかんだいってイギリス王室はいろいろ持っていますねー。昔から持ってるっていうだけでなくエリザベス女王の王冠だってすんごい。やっぱりお金持ちは違います。世界最大530カラットのダイヤなんてコブシくらいあります。

ロンドン塔 - London Tower by Ik T

ロンドン塔 - London Tower by Ik T uploaded on 16 Nov 2008

お次は大英博物館よりおもしろいといううわさの自然史博物館と科学博物館。確かにここはおもしろい。実際に展示に触ったりして遊ぶコーナーではガキどもがいっぱいいて思うように遊べなかったが、そりゃしかたないよね。

さてさて今日は忙しいのだ。明日、アメリカへ移動なので今日のうちに買物をしなければいけない。今回の旅行は友人に会うことと買物が中心で、あとはけっこうどうでもよかったりもするのだ。買物って楽しい。

まずはティーカップとソーサーを買おうと思ってリージェントストリートの陶磁器屋さんを物色した。実を言うとそんなもの初めて買うんで何がなんだかわからない。で、ローリーズという店でセカンド品(incomplete)のセールをやっていたのでそれをいくつか買うことにした。その店は入口にカゴが置いてあって、一階はセール品でいっぱいでほとんど半額だった。ワゴンに食器が山積みになっている。どの品もどこが悪いのかわかるようにペンで印が付けられている。とは言ってもミントンだのロイヤルドールトンだのどれも高級品である。なんかこういうの好きだなあ。欠陥といってもほんのかすかな傷であり、ちょっとみただけではわからない。

カップとソーサーで15ポンドから18ポンドくらいの中から適当に気にいったものを2つずつ3組選んで98ポンドくらいだったように思う。さらに日本人の店員さんに免税の手続きをしてもらって、カードの引き落としが92ポンドだった。免税の減額分もカードで精算しちゃうんだって。

で、これなんですが、カードの明細では、US DOLLAR VAT R FEXCO LTD という記述で、11.48USD = 1213円が返ってきました。

ところで、このあたりの陶磁器屋さんには必ずといっていいほど日本人の女性が働いていた。僕は「うん、便利でいいじゃない」って思うようになってしまったけどね。日本語で買えるなんていいじゃない。

この辺を歩いているとやはり日本人がたくさんいて、洋服だのバッグだのの大きな袋を三つも四つも持って歩いているのに出会う。ポンドが160円近くになってしまった今、とにかく何でも買って帰るのがお得なんだもの。仕方がない。

Regent Streetについてはこのサイトがすごい。
All the shops in Regent Street, Lodon
ローリーズというのは見当たらなかった。

イギリス
ロンドン

ニューヨークでジャズを聴く

ニューヨークでジャズを聴く post_monchan 2009/04/28(火) - 23:20

7月8日

一週間のイギリス滞在を終え、後半はアメリカである。ニューヨークとサンフランシスコでそれぞれ友人と会うことになっている。そう、今回はお友達訪問ツアーなのだ。

さてさて、ヒースロー空港では大変な目にあってしまった。それでなくてもえらい混雑だったのだがイギリスーアメリカ二国間の協定だとかでものすごい厳重なチェックを受けた。チェックインの前に2、3分のインタビューを受けるのだがあやしい日本人だと思われたのかなあ。

「これはあなたの荷物ですか?」

「はい」(あたりまえじゃん)

「どこでパックしたのですか?」

「は? そ、そーりー?」

「ホテルでパックしたのですか?」

「あっ、はい」(変なこと聞くなあ)

「あなたがパックしたのですか?」

「はい」(他に誰がやるんじゃ)

「どうやって持ってきたのですか?」

「は? そ、そーりー?」

......

何回も聞き直す。

「いいんですよ。ホテルでパックしてから、ここまで あなたが自分でそれを持ってきたのですか」

「そーだよ!」(ああ、やっとわかった)

パスポートを見て、

「トルコへは何しに行ったのですか?」

「観光です」(3年も前だぞ)

「ちょっと待っててください」

離れてごそごそ相談している。やだなあ。

「モロッコヘは何しに行ったのですか」

「観光だよ」

「モロッコで誰かと接触しませんでしたか?」

「いいえ」(俺はスパイか)

ようやく通してくれた。

「これはいつものことなのですか?」

「ええ、そうですよ」(ほんとかよー)

 

しかし、まだ試練は続くのだった。ランダムサーチとか言って荷物の検査のシールを張られてしまった。あれは絶対わざとにちがいない。そういうわけで荷物を開けて中身を丹念にチェックされた。

ほとんど泣きそうな気持ちでようやくチェックインし、免税のスタンプをもらって投函したら、もう出発まで30分しかない。

しかし、まだ終っていなかったのだぁー。搭乗口でまた手荷物をチェックされてしまった。おまけに身体検査までされて不愉快だー。ボーディングパスに座席指定がなくて、「搭乗口で指定します」っていうのがなんか変だなと思ったんだよなあ。何か特別にマークされているんじゃないかと思ったくらいだ。あやしい人間もしくは利用されやすい人間とみなされたんじゃないかと思う。搭乗口で「この荷物はいままでずっとあなたが持っていましたか?。誰か触りませんでしたか?」なんて聞かれた。

ま、とにかくやっとのことでニューアーク空港にたどりついた。ホテルはミルフォードプラザという八番街に面した中級ホテル。バスターミナルから数ブロックと便利な場所にある。ここの「ララバイ・ブロードウェイ」とかいう朝・夕食付きのパックで一泊99ドル+TAX。ただし、3泊もすると出される夕食に飽きてしまった。

今日は木曜日。近代美術館が夜9時までやっている。さっそく出かけた。それにしても暑いこと暑いこと。

MoMA は春に日本に来たので見た人が多いだろう。木曜日は寄付だけで入れるようだ。でも、わからなくて通常のチケット代と同じ7ドル払っちゃった。特別展として南米の画家の絵が展示してあった。このコーナーは多くの人でやや混んでいる。みな会社の帰りにちょっと寄ったという感じのニューヨーカーたち。

常設展の方はとっても空いていて、例えば人気の「眠るジプシー女」なんかも誰にもじゃまされずにゆっくり見ることができる。

ホテルでは夕食のクーポン券をもらっていて、ホテル内のイタリアレストランの 12.5ドルの3種類の定食の中から選ぶことができる。その他に飲物のクーポンももらえる。もちろん自分でお金を足してもいいようだ。スパゲティを頼んだがいやに量が多く、あまりおいしくなかった。

さて、ニューヨークの夜はこれからなのだ。ふっふっふ。帰りに買ってきたVOICEで今日のライブをチェックする。とりあえず今日は、スィートベイジルのスティーブ・レイシーのカルテットにしよう。

タクシーで店まで行くと店の前に列ができていた。ちょっとあせったが、10分ばかり待たされただけで店の中は空いていて前の方のとてもいい席に座れた。ここはいかにも老舗というか落ち着いたゆったりとした雰囲気がありいいジャズクラブだと思う。テーブルチャージとミニマムオーダーは忘れてしまったが確か25ドルくらい。

ニューヨークは第一日から充実していた。

1993年7月 Steve Lacy at Sweetbasil のReview記事
Pop and Jazz in Review - New York Times
アンリ・ルソー 「眠るジプシー女」 眠るジプシー女
 

7月9日

今日はまず自然史博物館にでかけることにした。それにしても大変な暑さだ。ニューヨークは8日から11日まで滞在したが、この間が暑さのピークだったらしく、3日連続100°Fを越えたらしい。なんでも半世紀ぶりの猛暑だということで、天気予報でも東海岸は真っ赤っかだった。かと思うと南の方ではミシシッピ川が溢れているらしい。ニューヨークは歩いていても空気が重たくて体にまとわりつくようだ。汗がだらだら流れてまるでバンコクを歩いているのかと思っちゃうほどだ。

自然史博物館だがロンドンのそれと実によーく似ている。ただ、全体としてアメリカの方が豪華な感じがした。どちらも哺乳類の剥製や植物や魚、鉱物などがある。それから実物大のシロナガスクジラがある。もちろん恐竜のコーナーもある。

地下のカフェテリアでお昼を食べた。ここはけっこう高い。

午後はミッドタウンに戻ってぶらぶら歩いた。ATTのビルにコンピュータ関連の見学コースみたいなものがあるらしいので探して歩いた。絶対ここにあるはずだという所に来たのだが工事中のビルしかない。あれぇ?。ま、こういうことはよくあるんだけど……。しばらく歩いてやっとわかった。ソニーがビルを買っちゃったのね。秋にソニープラザがオープンするんだそうな。

しょーがないので、向かいのIBMのビルでお茶を飲んで時間をつぶした。マンハッタンの高層ビルは必ずパブリックスペースを作らなければいけないそうで、どこもガラス張りで明るくて緑があったり水が流れていたりする。

そのあと、その辺をぶらぶら歩いて本屋やソフト屋さんをのぞいた。今日もライブを聞きに行こう。ブルーノートでスタンリージョーダンをやっているのでそれに行くことにした。ホテルに帰って早めの夕食を食べてから8時過ぎにでかけた。頭ではタクシーで行くと決めてかかっていたのでタクシーを捕まえてしまったが、よく考えたらまだ外は明るいのだった。

タクシーの運ちゃんはブルーノートなんて知らない。住所を言っても何だかよくわからないようだ。VOICEの切抜きを見せて「ここなんだけど」とやっているとドアマンが助けに来てくれた。「どこ行くんだい。おっ、スタンリージョーダンかぁ、いいねえ」とかなんとか言って、どっかからの移民であろう運ちゃんに場所を教えてくれた。

ブルーノートは東京のブルーノートと同じ雰囲気の店だ。とにかく客をたくさん入れる。大物がよく出演するんで仕方ないか。ミニマムが高くてテーブルチャージと合わせると昨日のスイートベイジルよりだいぶ高くなる。予約しないで行ったが、一人だったせいかちょっと待たされて割といい席にもぐり込めた。ただ、ぎゅうぎゅうに詰められているので一人だとちょっと気まずい感じもする。これは東京もいっしょだ。帰りは店をでたとたんに目の前にいたタクシーに乗ってさっさと帰った。

 

7月10日

きょうは買物をして午後はメトロポリタン美術館に行く予定。まず、J&R Music World というコンピュータの店へ行った。もともとは CDやオーディオの店だったのかもしれないが、コンピュータの店やソフトウエアの店もある。それぞれ別々の店舗になっている。場所はロウァーマンハッタン、シティホールの近く。

地下鉄の駅を降りてしばらく探して歩いた。ここはウォール街に近いとはいえ、今日は土曜日。あたりは閑散としてちょっとこわい感じもする。コンピュータパーツの方は値段も品揃えもいまいちだったのでパスして、ソフトウエアをいくつか買った。

帰りはメイシーズに寄ったりドラッグストアでビタミン剤を買ったりしながらてくてく歩いた。マンハッタンには、Barnes & Noble という本屋が何箇所かあるがそのうちのひとつで lonely planet のベトナムとネパールとブラジルを買った。役に立つ日が来ますように……。ただ、lonely planet はロンドンで買った方が安かったようだ。

ふと気がつくと現金がない。今日は土曜日、ああ、またやってしまった。でもそんなはずはないんだけどなあ。どうも計算が合わない。ホテルに帰ってちゃんと確かめたがやっぱり足りない。うーん、すられたか、あるいはおつりをごまかされたかのかもしれない。僕はいつも無造作にポケットに札を入れて歩くのだけれど、いまいくら持っているかを把握していないのは悪いくせかもしれない。おつりを確かめないのももっと悪いくせだなあ。

タイムズスクエアに面した新しいビルにアメックスがあるらしいので、そこでTCを変えることにした。銀行と違ってあっというまに終るのがいい。手数料もかからない。ここは新しめの高級ホテルのようで団体の観光客がうろうろしていた。

ピザとコーラで昼食をすませてからメトロポリタン美術館へ行った。目立たない所にありなかなか行けなかった日本のコーナーは静かでいい所だ。休憩所に畳があっておもわず寝ころびそうになってしまった。座ってはいけないと思うのだろうか欧米人は座らない。僕はついつい靴を脱いであがってしまった。

きょうはどこで食事をしようか。ホテルの夕食にはもう飽きてしまったので外で食べることにした。クーポンで食べられる食事は3種類あって、もうひとつ食べていない種類が残っているのだが、あまりおいしくないんだもの。ところで、朝食もクーポンなんだけど、パンが一個だけとコーヒーといういわゆるコンチネンタルというやつだ。もちろんお金をだせばイングリッシュブレックファストになるのだが、それだったら外のコーヒーショップでいいということになってしまう。というわけで今回のホテルの食事付きプランってそんなにいいものではなかった。

さて、結局、寿司を食うことにした。しかし、高い、高い。それになんか高級って感じでぼくにとってはあまり居心地のいいとこじゃなかった。最後にカードで支払う時に、おねえさんが「チップは15%くらいだからそこにいくらって書いて合計をそこにいくらって書いてください」とか言うのが余計なお世話だと思った。そんなことまで教えてくれなくたっていいわい。

明日は 9時の飛行機に乗るので、今日は早く寝ることにしよう。

 
アメリカ

ベイエリアで素敵にドライブ

ベイエリアで素敵にドライブ tenagamon 2013/02/06(水) - 10:21

7月11日

次の目的地、サンフランシスコ行きの飛行機に乗るためニューアーク空港へ向かった。ヒースローとはうってかわって大変スムースなチェックインだった。

サンフランシスコのホテルはホテルニッコーである。109ドル+Tax 。部屋はおそらく僕が今まで泊まったありとあらゆるホテルの中で一番豪華と言っていいものだった。

部屋に荷物を置き落ち着いた後、港まで出かけて夕食を食べることになった。Ghirardelli Square というところに中華料理屋があるという。一旦ケーブルカー乗り場に行ったがあまりの行列の長さにあきらめ、港を目指しててくてく歩いた。ギャラリーを覗いたりしながらぶらぶら歩いてGhirardelli Square に着いた。

ここには有名なチョコレート屋さんがあるんだそうだ。僕は知らなかったんだけど Ghirardelli っていうんだそうだ。チョコレートは店の入口で試食用にもらえたのであとは空港で買えばいいということにして、その一角にあるマンダリンというレストランで食事した。あとでわかったのだがけっこう有名なレストランらしい。落ち着いた感じの高級そうなレストランだった。

レストランに入ると中はいかにもりっぱな中華レストランという感じのゴージャスな作りだった。いきなり「いらっしゃいませ。中国人ですかな。いや、お待ちください、当てましょう。韓国人? ノーノー。日本人でしょう。わかりますよ。はっはっは。」ときたもんだ。高級そうっていってもそんなすごいところでもなく確か一人30ドルくらいだったかな。

食事を終えて外に出るともう日が暮れかかっていて寒いくらいだった。ニューヨークがあまりに暑かったので今日は半袖のシャツ一枚だったのだが、昼間はともかく今は急に気温が下がり寒くて困った。

7月12日

今日はモントレーまでドライブである。天気はそんなに悪くないのだが、サンフランシスコという所はこの時期はそんなに暑くないそうで、むしろセーターが必要なくらいだった。

モントレーでは水族館に行った。ちょうど、くらげの特別展をやっていた。くらげというのは実に美しい生き物である。神秘的でもある。実にたくさんの種類があるもので感心した。くらげを飼うのはとても難しいんだそうだ。

この水族館には高さが世界最大の水槽があり水槽の高さいっぱいに育った巨大な海藻がある。10mくらいだろうか。ここまで育てるのは大変だったそうだ。その他の水槽でも海藻や岩でデコレーションしてあって見せ方が凝っている。水槽の前の説明プレートも全部自分たちで作るそうだ。うまく表現できないのだが、ぱっと見た感じが日本の水族館と違っていて見せ方の工夫がちょっと進んでいる感じ。そういう所は日本は遅れているんだそうだ。でも学問的には進んでいるんだって。

大水槽で魚に餌をやるショーが始まった。水槽に入って餌をやるのはボランティアの人たちだがこの仕事はとても人気があるんだそうだ。水族館のあちこちで説明している人たちも全部ボランティアだそうだ。ボランティアをしたいと思う人たちは大勢いて働き手にはまったく困らないという。

この水族館で使っている水はモントレー湾の水だ。日本の水族館ではきれいな海水をわざわざ買ってこなければならないそうで、この水族館はその点では助かっているのだそうだ。記憶があやふやだがモントレー湾は深い上に寒流がきていて水がきれいなんだったかな。

二階にあがるとテラスがあってそこからモントレー湾を一望することができる。この辺りではすぐ近くまでラッコがくるそうだが、今日は見当たらなかった。ラッコもよくみかけるが沖へでるとクジラもいるそうだ。

モントレー水族館 - Monterey Aquarium by Ik T

モントレー水族館 - Monterey Aquarium by Ik T uploaded on 16 Nov 2008


モントレー水族館の中にモントレーの浜辺を再現したコーナーがある

もう一つ水族館で気にいった場所がある。モントレーの浜辺を再現した場所で、左右20mくらいの長さのうち、左半分が浜辺で、右半分が海になっていて、右から左に波が打ち寄せるしくみになっている。浜辺には草花などの他に鳥たちが歩いている。多くは片足でじっと立っている。大きさは10~20cmくらいの中くらいの鳥だ。それがなんと、なんの仕切りもないものだから、手を伸ばせば届く場所にいるのだ。浜辺とそれ見る人との間にガラスを入れたり手が届かないくらいのスペースを入れたりしないところがすごいものだ。ここはいつまでもぼんやり見ていられる、とても素敵な場所だ。

* * *

水族館を出た後は、17マイルドライブを通りペブルビーチを横に見ながらカーメルへ向かった。カーメルを楽しんでからサンフランシスコへ戻った。サンフランシスコへ着くともう8時半だったがまだ明るかった。この時間まで明るいというのは遊びに行くにはほんとにいいもんだと思う。

夕食はタイ料理にした。ガイドブックで適当に見つけた店だけどなかなかおいしかった。ちなみに、ガイドブックのリストには多くの店に NO MSG という表示があるが、これは No Monosodium Glutamate の略で要するに化学調味料を使っていませんということだそうだ。

7月13日

午後1時の便で帰るので午前中はその辺をぶらぶらした。ロビーにJALのおねえさんがうじゃうじゃいた。空港までは 8ドルのシャトルバスを使った。

二週間の夏休みも今日で終りだ。現実に戻らねばならない。

今回の旅は友達に会う旅だった。それぞれ違った暮らし方をしているものの、みんなゆったりと暮らしていてとってもうらやましいと思った。自然に囲まれて暮らすことやあくせくしない生活を見せられて、僕は自分の生活と比べながらいろいろなことを考えてしまうのだった。

アメリカ